木曽岬町の月の出
昨日は取材で愛知県豊橋市へ。仕事完了後国道23号線で三重の事務所に戻る途中、少し前に閉じたと耳にした木曽岬温泉の様子を確認しようと思い国道を外れた。その途中ですばらしい月の出が見えているので迷わず車を止め、しばらく見とれながら仕事用のカメラNikonD850 +Nikon純正24-70㍉ (VRの無い古いタイプ。中古だとこんなに安くなってしまったのか…)で撮影。私の背中には緩やかな夕陽が差し込んでいた。水の入り始めた田んぼと家々の存在など日本的な風景を見せてもらうことがたまたまできた。
月の風景写真と言えばニューメキシコ州ヘルナンデスを旅行中に撮影された月の出の写真で有名なアンセル・アダムスと呼ばれる写真家(故人)の作品「ヘルナンデスの月の出(Moonrise, Hernandez)」 があるわけですが、その写真とは比較する対象にもならないわけではあるが、事務所でデータを見ながら「白黒にしてみよ」と思い立って白黒にしてみた。そしてこのブログで紹介することにした。タイトルは「木曽岬町の月の出」とつけた。私の月を撮影した写真のなかでは「嬉野の月」(古民家Hibicoreの床の間に飾ってある伊勢和紙作品)に続く作品になると思います。
東京写真専門学校名古屋校(現名古屋ビジュアルアーツ)写真学科の学生の頃モノクロームのプリントといえば階調表現であり暗室の授業では何回もプリントをやり直ししながら階調という存在を覚えていった。そのときは写真工業出版社発刊のファインプリントテクニックが教科書でした。この中でゾーンシステムなど階調表現に必要なことを学んだことを思い出した。
そしてそのなかでオリジナルプリントという存在を知ることになった。
そこでアンセルアダムスの「ヘルナンデスの月の出」はよく出てくる写真で、オリジナルを一度見るために東京まで足を運んだのだった。PGIというギャラリーの存在を知ったのもファイプリントの教科書がきっかけだった。白黒印画プリントの「美しさ」というのになぜ引きつけられたのか?今も答えは出ていない。
さて主目的の木曽岬温泉はやはり廃業されていました。数回入らせてもらいましたが熱い源泉掛け流しのお湯で非常に良い温泉でした。砂利風呂も良かったな。受付担当のおじさんは元気にしているのだろうか。
息苦しい閉塞感のある現状ですが自分のできる範囲のことを淡々とこなしていきたいと思う夕暮れでした。
※アンセルアダムス写真集”Ansel Adams in the National Parks”
もう一つ補足
豊橋の取材先で教えてもらった豊橋市二川にある「中原屋」さんの「和唐どら焼き」すばらしくおいしかったです。