銭湯写真展あと2日。最終日は17時まで!
おはようございます。まだ夜が明けてない宿から。今日も晴れでしょう(おそらく)@三重県伊勢市。
今月10日から始まった三重ノ銭湯写真展2015も残すところ2日間の開催となりました。(最終日は17時までの開催になります)
沢山の方に来場していただきほんとに感謝しております。写真展を見に来ていただいた人が「まち」の銭湯に直接足を運びましたよ!というような声を聞くとこちらもほっこり和んだ気持ちになります。銭湯の経営者の方々にも多数足を運んでもらっています。貴重な週1回のお休みを使って足を運んでもらっていることが「写真展開催して良かった」と改めて感じさせてもらっています。
先日ある場所のメールマガジンにテキストを書きました。自分の記録の意味も含めてほぼ原文のまま載せておきたいと思います。お時間あればお読み下さい。(テキスト作成時期は大寒を迎えたときになります、多少時期がずれますがそのままにしました)
「路地のぬくもり」
新暦での年が明けて早くも20日間経ちましたが旧暦では12月、年末に当たる時期、二十四節気では「大寒」最も寒さが厳しくなる時期を迎えます。
旧暦で年末だから「よーし、大掃除にとりかかりとしますか!」というような気分は、どちらかというと新暦でやり残したことをこれからやりましょう。という魂胆が見え見えでしょうか(笑)
さて、最近「銭湯」行かれたことありますか?学生時代などにアパートに下宿して通っていた人、旅路の途中で立ち寄る人、家風呂が無くて通った人…私は時間があるときに仕事帰りに銭湯に立ち寄りひとっ風呂浴びて家路につきます。非常に気持ちのリセットになるからです。
まちの路地から空を見上げると当たり前のように煙突が目印となって建っていた銭湯も、経営者の高齢化やボイラーの老朽化、主要幹線道路沿いに出来たスーパー銭湯の出現の影響などもあってかなり減少してきています。
自己PRになってしまうのですが、そんな銭湯の姿を見てもらう写真展を「大寒」になるこの時期に現在開催しています。写真展を開催したきっかけは私の中学時代の同級生永瀬裕司(ながせひろし)との再会から。NAGIという伊勢にある出版社月兎舎(ゲットシャ)が発行している大人のローカル誌があるのですが、2006年に編集部に永瀬から本に載っている写真に私の撮影クレジットを見つけて「中学時代のコン吉(松原の中学当時のあだ名)違いますか?」という問い合わせが入ったのがきっかけ。そこで20数年ぶりに再会、そこから当時銭湯の魅力にどっぷりと浸かっていた永瀬との銭湯巡礼が始まったのです。最初のうちは三重県内の廃銭湯などをゆっくり巡ったりしながら、のんびりと現役銭湯に浸かったりしていたのですが、だんだん現役銭湯が閉じる情報が多く耳に入ってくるようになりました。これは現役銭湯の姿を生きている感じのままで写真に残したい!という思いが強くなりそれから「村の記憶」で使用しているカメラと同じ4×5インチの大型カメラで撮影を進めました。撮影は銭湯さんの協力をいただいてお客さんが入る前に少し時間をかけながら行いました。富士山のペンキ絵、男は普段なかなか見ることの無い女湯のタイル画、使い込まれてひび割れているタイル、古びたカラン…そのような現役銭湯の姿を大判カメラによる細密描写を通して触れてもらえる写真展になっています。
写真展を開催しながら「銭湯の魅力」を考えてみる。
スーパー銭湯との違いはなんだろうか?
いろいろと便利にその施設内で完結できるのがスーパー銭湯。風呂上がりに食事も出来たり、ドリンクを飲んだり、もちろん駐車所場の心配も不必要。それはまるで郊外に在るショッピングモールの感じ。
対する銭湯はまちの個人商店。魚屋、八百屋、薬屋、花屋…そんなまちのなかにあるひとつの風呂屋。
番台越しには近所のおばちゃんやおっさんが今日あったできことや老人介護の話など現実的なことも含めて話していることがその土地の方言丸出しの言葉で耳に入ってきます。「あの人今日はこやん(来ない)けど風邪でもひいたんかな?」そんな声が聞こえてきたり「兄ちゃん、どっからきたん。ここらの人間は言葉は悪いけど人間は最高やに」いろいろ話しかけたりもしてくれる。
路地の近くにあること、湯船までの距離感も異なります。銭湯は入口から湯船までの導線が短く、路地を歩いて暖簾をくぐれば直ぐそこに湯船がある感じ。その導線の短さも特徴の一つ。一瞬にしてワープ(極端かな)する感覚。湯船に浸かりながらも銭湯前の通りには家路につく人達の足音が聞こえてくるような気がする。「キキッ」と自転車のブレーキを止める音。風呂に入るお客さんがやって来た。風呂を出て帰路につくときも、入浴中のおばさん達の声が身体にカケル湯の音と共に路地に漏れてくる。なんと生活の匂い丸出しの感じだろう。「まちの体温」そのものがそこに存在しています。
是非会場で目で湯船に浸かりに来ていただければと思います。
三重ノ銭湯写真展2015
開催場所ーギャラリーVolvox
住所ー三重県津市栄町1-888 四天王会館1階
JR・近鉄津駅より徒歩約10分
開催期間ー1月25日まで
開催時間ー1月24日までは 11時から19時まで。最終日は11時から17時まで。
入浴料(入場料)ー¥400(高校生以上)写真展をご覧いただけます。
入浴設備はございません。入浴料のうち100円は三重県公衆浴場生活衛生同業組合に還元し、銭湯文化の発展に貢献させていただきます。
今回の展示してある写真展は、会場1階部分が私の撮影した現役銭湯のコーナー。(撮影には「村の記憶」と同じ4×5インチの大型カメラを使用した写真を展示)会場階段を上がった中2階には永瀬が撮影した閉店銭湯の写真と銭湯関連の書籍や資料などを閲覧してもらえるコーナーで成り立っています。
詳細情報については
「三重ノ銭湯2015」をweb検索していただけると見ていただけます。
補足ですが三重ノ銭湯巡礼は月刊Simpleという伊勢で発行されている情報誌に毎月連載しています。
割合地味なページですのであまり目立たないせいか、あまり知られていないようです。
こちらも是非1度ご覧いただければと思います。
松原 豊
(ほぼ原文のまま、お届けしました)
では残り2日間、宜しくお願い致します。
本日松原は取材完了後14時前には会場に到着出来る予定です。
ケロリン永瀬さん、橋本さん、ヒビコレ女将、午後には会場駆けつけます!