幸せの時間

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今年の冬は大雪が日本を襲いました。まだ生活の機能が完全に復旧していないところもあると聞いています。1日でも早い復旧をお祈りします。
その日本列島が大型の寒気に包まれる少し前、三重県尾鷲市須賀利地区に出かけた。以前取材したとき天候がよくなかったので再取材というわけです。この地区は以前尾鷲市内から巡航船が出ていたことで有名な集落。その巡航船も昨年定期便の運行を終えました。今は尾鷲市内から自家用車以外だと定期バスの便があります。ほとんどの人は訪れるとき車を使うのだと思います。
私たちも車で向かいました。集落に到着すると有線放送でお祭りの案内が流れていて、同行したデザイナーさん「そういえば今日お祭りだと以前お邪魔したとき言っていました」と話してくれる。お祭りと聞けば見に行きたくなるのが心情。集落の真ん中あたりにある神社に足を向ける。おっ!境内には大漁旗がはためいている!なんだか勝手に胸が熱くなってくる。境内にいるおばさんは「10時から餅まきがある」と教えてくれる。「そうなんや、餅まきがあるんや!」と答えると「その前に汁飲みなよ!兄ちゃん!」(私、ほんとはおっさんなのですが…)と声をかけてもらう。ありがたくデザイナー氏と共にいただくことに。
いただいた汁は、大敷汁と呼ばれるこのあたりの海岸沿いのイベントよく振る舞われるもの。元々は漁師さんが大敷と呼ばれる漁を終えた後船の上で捕れた魚を使って作っていた味噌汁のことをそう呼んでいたようだ。鯛などの魚やエビ(伊勢海老も入っていた)蟹、などいろいろ入って居て贅沢な感じ。そして何より暖まる!
周辺の風景も撮影しなければいけないのですが祭りが終わるまで見届けることに。単純に餅を拾いたい?いやいや祭りを見せてもらいたいと思ったのです!
10時の餅まきが迫ってくるとこんなにもこの集落に人がいたのか!と思うほどの人出!祭りのために近所の集落から来た人も混じっているのでしょうがとにかく活気がすごい。こんなに活気のある姿を見るのははじめてです。
恒例の神事が終わりいよいよ餅まきの時間になると「はよう、はよう!」などの声も上がり盛り上がりのピークに。太鼓の音が「ドーン」と鳴ると共にもち投げ開始。
うわー!こっちこっち!などの歓声のなか餅がまかれます。じいちゃんもばあちゃんもにいやんもねえやんも子供も必死で拾うのです。その姿は見てると笑えてきます。短い時間ですがみんな必死です。必死ですが笑顔です。笑い声も沢山聞こえてきます。
餅まきを終えて袋いっぱいに詰め込まれた餅を自慢しながら比べたりしている姿を見ていて「ああ、ほんとに幸せないい顔だなあ」と感じました。人が寄り添い、お祭りの時にもち投げをする、それを拾う。ほんとに単純な楽しみだと思いますがそんな中にほんとうの幸せの一つの形があるように思いました。
静かになった集落の撮影を再開、目も心も幸せな時に浸れた1日でした。
集落でまた来年ももち投げがあることを願って。
余談ですが撮影しながらもちろん私も拾いましたよ!兼業撮影(笑)

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幸せの時間”へ1件のコメント

  1. ケノーベルからリンクのご案内(2014/02/27 09:04)

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