「窓辺の休息 佐藤敬子展」
三重県の写真家松原豊です。蒸し暑い日が続いています。湿度が身体にまとわりつくような感じですがそろそろ蝉の鳴き声が聞こえてきそうな気配です。
三重県志摩市にある「アトリエ・エレマン・プレザン」の佐藤敬子さんの初個展が7月11日から三重県立美術館県民ギャラリーで開催しているので昨日足を運んできました。(佐藤敬子さんは東京女子美短大卒で、Hibicore女将の大学の先輩にもなります。)
今回、私は展覧会で配布される図録に使用する作品撮影の担当をさせていただきました。
三重県志摩市にあるアトリエでの作品撮影時に今回の展示キュレーション担当の田中喜明さん(サイトウミュージアム)企画協力の平野昌さん(ひらの企画舎)佐藤家の方々と作品のことなど含めていろんなお話を聞かせてもらいながら楽しく撮影させていただいたことを思い出しました。
会場には88点の作品が並んでいて展示の構成も苦労したんだろうなあ、と勝手にイメージ。展示作品は現在の在住地志摩の風景やテーブルに置かれた花など身近な世界を描いたものや風景も多くそれらを見ていると穏やかな気持ちになってきます。図録内のテキストで田中喜明さんが「開放感」という言葉で書かれていますが、私も同様に感じたことのひとつです。
これまでに何故個展を開催しなかったんだろう?という声も聞こえてきますが、「今、このとき、目の前で作品を見ることができたこと、それが今回の意味だったのではないか」と勝手に解釈をしています。これらの作品を見つけて、展示という形にもっていった方々のおかげでもありますね。
そして、当たり前のことですが、作者がずーっと描いていなければ今回の展示は無かった。継続は力なり、などのようなフレーズや企画やテーマということでも無くて「描かずにはいられなかった」と、私は感じました。続けることで生まれてくること、佐藤敬子という人が見つめたそれは「生」の軌跡、そういう実態。展示作品と共に図録を見ていただきながらそんなイメージを広げてもらえたらなあ、などと勝手に思っています。思わなくても大丈夫ですが。(笑)
会場で私のお気に入りの花の写真と記念撮影をしてもらいました。ありがとうございました。案内チラシを多数いただいたので、明日定例研究会を開催する写真好学研究所の研究生の人達にもお知らせしようと思います。開催情報も記載しておきます。13日と21日にはトークイベントも開催されます。以上お知らせでした。
朝日新聞記事で今回の展示のことが配信されています。(有料配信)
展覧会開催情報:(ダウンタウンズプロジェクト広報ページより転載)
「窓辺の休息 佐藤敬子展」
―ダウン症のある作家たちを支え続けた女性美術家―
この夏、「ダウンズタウンプロジェクト」の全身、「アトリエ・エレマン・プレザン」の創設者の一人である美術家・佐藤敬子の初の個展を開催する運びとなりました。
幸い、このアトリエで制作したダウン症の方たちの作品はこれまで国内外を問わず発表する機会に恵まれてまいりましたが、30年にわたり皆に寄り添い、制作環境を守り続けた佐藤敬子の作品展は本展が初となります。
日常の中にささやかなテーマを見つけ、細々と創作活動を続けてきた彼女の作品からは、心優しく柔らかな感性を持ったダウン症の人たちと、どこか通ずるものも感じます。
小さなアトリエから始まった活動が今、次世代へと継承され、多くの方のご賛同とご協力と共に広がりつつあることへ感謝の想いでいっぱいになりながら、この数ヶ月準備を進めて来ました。
本展ではダウン症の方々の作品は展示致しませんが、初夏のひとときを会場にてお楽しみ頂けましたら幸いです。
皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。
【会場】三重県立美術館 県民ギャラリー
【会期】 7月11日(木)-7月21日(日)
※7月16日(月)は休館日
11:00-17:00 最終日は16:00まで。入場無料
会期中のトークイベント
・神山典士(ノンフィクション作家) × 佐藤敬子
7月13日(土) 14:00-15:00
・平野 昌(ひらのきかく舎) × 佐藤敬子
7月21日(日) 13:00-14:00
【主催】(一社)ダウンズタウンプロジェクト
【助成】公益財団法人 岡三加藤文化振興財団
【企画協力】ひらのきかく舎
【キュレーション】田中善明(サイトウミュージアム)
展示開催時に三重県津市で宿泊される方が見えましたら市内からは離れますが築80年の民宿「古民家Hibiciore」も是非検索してみてくださいね。開催期間中の平日でしたら空いております。こちらもお知らせでした。